いただき(別名:ののこめし)

▲いなりじゃないよ、いただきだよ!

パッと見いなり寿司のように見えますが、実は全くの別物!いなり寿司は、味の付いた油揚げの中に酢飯を詰めたものですが、いただきは大きな油揚げの中に、生のままのお米や野菜を詰めてだし汁で炊き上げたものです。いただきは、鳥取県西部、弓ヶ浜半島を中心に親しまれている郷土料理です。

▲いただきの歴史

明治時代中期、境港市にあるお寺の住職が福井県のお寺に行った際、そこで精進料理として出された油揚げを大変気に入り、持ち帰って調理をしたものがいただきの始まりと言われています。かつては、漁師や農家の人々がお弁当として持って行っていたそうです。現在では、学校給食で出されたり、地域行事がある際に出されたりして、子供からお年寄りまで多くの鳥取県民に愛されています。

▲いただきの名前の由来

いただきは何か特別な行事があった時に各家庭で作られ、近所に振る舞われました。まだお米が貴重な時代では、大変な御馳走とされ、「もらう」ではなく「頂く」という感謝の気持ちがそのまま「いただき」という名前になったと言われています。また、鳥取県にある大山の頂上に形が似ていることから、こう呼ばれるようになったとも言われています。

関連サイト

食のみやこ鳥取県 http://www.pref.tottori.lg.jp/178227.htm